カテゴリー「年金・社保庁」の6件の記事

叩き叩かれ、後期高齢

一般の人が下記引用の記事を読めば、「自治体が取らなくても良い保険料を徴収したので、特別に返金した」という事件があったと思うことでしょう。

所詮、一般紙の記事なので、詳細は不明確ですが、当該自治体の事務処理は、社会保険庁の指定した事務処理要領、もしくは、情報交換媒体作成仕様書、もしくは、高齢者の医療の確保に関する法律、に則っているのでは。

皆さんにも馴染みのあるところでは、携帯電話などの料金プランの変更でも、変更手続き後、最長1ヶ月近く反映しません。そういう手続きは、月(月度)締めで処理されるため、手続きから処理までの時間が無駄になります。カード会社などでは、その処理サイクルが極力短くなるよう、コンピュータシステムの改修や事務作業の改善など、創意工夫を重ねているのです。

保険料の年金天引きですが、これも仕組みは同じで、窓口で事務処理した後、社会保険庁へその旨依頼を出して、社会保険庁側で天引きの体制が整うまで、最長2ヶ月近くかかるといのが、社会保険庁の提示する事務要領です。各自治体が社会保険庁(年金)に天引きして頂くにはこの定めに従わざるを得ません。

正直のところ、カード会社などがもっと短いサイクルで処理しているのをみると、社会保険庁も何とかならないのかという気持ちもありますが、それは、あくまで社会保険庁の問題であって、自治体に対して「ミス」と言い切ってしまうのは、やや言いがかり的な印象。

社会保険庁の年金天引きに限らず、保険料徴収には「還付」という仕組みがあります。何らかの事情で多く徴収した場合、多く納めた額を返すわけです(介護保険法で言えば第百三十九条。高齢者の医療の確保に関する法律では、介護保険法のこの部分を準用することになっています。)。住民税の「年末調整」も多く納めた額の一部が返ってくる仕組みで、サラリーマンの皆さんならよくご存知でしょう。

以下の記事では、その「還付」にまで触れているので、記者は仕組みというか、法に則った事務であることを取材できていると思われるのですが。細かい制度なので、小さな紙面の中で載せきれないことがあったのかも知れませんが、記事が記事だけに、大新聞をしていささかアバウトすぎでは。

というか、もうじき、法施行後はじめての年金支給日を迎えるわけで、思いもかけない額を天引きされる一般世論の不満に相乗りするべく「口撃」準備をしているのかなと思ってみたりして。

◆◆ 以下、記事より引用 ◆◆
後期高齢者医療、故人に保険料天引き通知 佐賀・唐津
2008年04月07日22時33分

 75歳以上の高齢者を対象に4月スタートした後期高齢者医療制度で、保険料を年金から天引きする通知書が、2月に亡くなった佐賀県唐津市内の女性(当時99)宅に届いていたことが遺族の話で分かった。同市は、1~3月に亡くなった人や市外へ転居した人ら約200人についても同様に今月分の天引きを止められない恐れがあるとしている。

 唐津市保険年金課によると、女性は2月2日に死去していたが、今月15日に給付される女性の2月分の年金から保険料が天引きされる恐れがあるとしている。市ではこの人を含め他の約200人について、今月2日に保険料額通知書を送る際、天引きしてしまった場合は市が2、3カ月後をめどに還付するとの案内文を作って同封したという。

 佐賀県後期高齢者医療広域連合によると、この制度では、県内の各市町が昨年12月末に保険料の天引き予定者のデータを作り、県国保団体連合会などを経由して社会保険庁に転送。このデータをもとに4月に給付する年金から天引きすることになっている。しかし、死亡や転居した人の情報は2カ月に1度しか更新しないため、他市町でも同様に1~3月に亡くなった人の保険料を天引きしてしまうミスが起こりうる、という。

◆◆ 引用おわり ◆◆

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社保庁問題~民主党のマニフェストより

民主党と言えばミスター年金、長妻昭氏。
ある意味では、いま一番の民主党の顔である長妻氏を看板にした、年金問題のマニフェストのHPで、以下のような記述があります。

<引用はじめ>
2-1.民主党の「消えた年金問題」解決策
すべての年金記録を、正しく管理します。
コンピュータに入力していない古い記録、入力漏れ、入力ミス。これらが長い間放置されてきました。すべての 年金記録がコンピュータで正しく管理されるよう、紙台帳とコンピュータデータを照合し、コンピュータデータを徹底的に訂正します。
<引用おわり>

この、特に下線部ですね。自民政権が現在実施していることと同じです。
そして、舛添さんが、完全履行は出来ない見込みであると発表した件そのものです。

今年の6月に私自身、名寄せ作業は難しいことだと言ってもいたので、いまさら驚きはないのですが、自民党がやろうが、民主党がやろうが、元々の情報が正しく保管されていないような物理的に無理なケースの照合は無理に決まっています。

それでも、自民党はやれると言った。そして、やれないという判断材料が続出しその旨発表した。賢明です。

そこまでは私には納得できます。

しかし、自民党同様、上記の通りマニフェストで「年金の照合をして徹底的に訂正します」と宣言している民主党が、物理的に不可能なものを果たして完璧に照合できるのでしょうか?

自民党が批判されるのであれば、同じ事をマニフェストで宣言していた民主党も同罪ではないでしょうか。

それは違うというのであれば、民主党は、これなら可能だという「決定的な照合方法」を示すべきではないでしょうか。それを示せば、完璧な照合がなされ、皆さんの年金が保障されるのですから、出し惜しみをしてはいけません。

まさか、「民主党なら照合できますから、次の衆議院選挙では勝たせてください」などと馬鹿なことを言い出すのではないかと期待心配しています。

今国会会期中の大議員団による中国訪問で、打ち出の小槌でも頂いてきたのでしょうか。

どのマスコミも、民主党のHPさえ見ればわかるこんな簡単なことを、全く指摘しないのも釈然としません。

年金問題はほとんどの国民にとって、予備知識でもなければ、簡単に理解できる問題ではありません。それを逆手にとって、イメージだけで政権批判を勢いづけようと演出している言われても仕方ないですよね。

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消えた年金問題

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6月29日19時、中野サンプラザ8階で、年金問題の報告会だそうです。興味のある方はどうぞ。

確か、ジャーナリストあがりで、問題追求には実績のある方だったと思いますので、私とはまた別の話が聴けるのではないでしょうか。

先日も年金問題について国会戦術で超ロング演説をして、その様子は報道等で目にしていると思います。

多分に参院選を意識した会でしようから、参院選の候補者の売り込みがメインである可能性もありますが、そうだったらそういう姑息な客引きをする党なんだなと判断材料か得られたぐらいに思えば良いのでは。

私は、飲み会と重なりそうなので行けません。あはは。

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年金記録の不明分が5000万件って、何人分?

そんなこんなで、社会保険庁の続き。

年金記録の不明分が5000万件、という報道以来、エライ騒ぎですが、皆さんのご家庭は大丈夫でしょうか。

ところで、5000万件って、何人分のことなのでしょうか?

ひとり1件でしょうか?

日本の人口は1億2千万人です。そして、おおよそ年金に無関係と思われる未成年者の人口は総務省の年齢別人口統計によれば約2千万人です。

ということは、年金に関係のありそうな人口は1億人。

5000万件=5000万人であれば、2人に1人が年金記録不明者になります。

まさか、そんなことはないでしょう、と思いたい。

そこで、冒頭の疑問。5000万件って、何人分?

推測1  ひとり1件だが、異動履歴があれば、その分を計上しており、何十年前の不要データも含まれる。
推測2  給与天引きなどで、収納月単位にデータを持っており、1年分で12件存在する。

推測してもはじまらないのですが、いずれにしても、一人当たり複数件あると考えるのが自然?

私なりに、システム的なウラを読むと、先日ご説明した「名寄せ」に難があるから、データ1とデータ2が同一人物かがわからないケースがあるのでしょうね。よって、データは2件あるけど、2人か、同一人物で1人か判断できなくて、「件数で発表しておけ」ってところではないでしょうか。報道側も、いくらかは突っ込んだのかも知れないけれど、紙面も限られているし、「すごい件数だ」ということは伝わるから、「件数」で報道したのでしょう。

もし、2人に1人の割合だったら、問い合わせ窓口の増設など焼け石に水。そんなことより、数ヶ月かけても納付状況通知リストを打ち出せるシステムを作って、年金資格者全員に送付して各人に確認してもらわないとならないですね。郵便料金が莫大など言っているところではありません。

システム担当の人が気の毒だなぁ。毎日、毎日、システムの事などわからない担当職員から、件数じゃなくて、人数は出ませんか?とか、そんなに難しいんですか?とか、言われまくりなんだろうなぁ....。

件の報道後も、いくつかの数字が発表されましたが、その都度、システム担当者が裏で働いているということなんですね。毎日、家に帰っているのかしら?

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タダで、はしかの予防注射とはありがたや。

なんでも、修学旅行で海外へ行ってから はしか発病って事件があったそうで、はしか騒動も大変ですな。

日本で、はしかの予防接種が義務でないのを、ことさら非難する論調がありますが、BSEとかAIDSに歯止めがかけられない国に言われたかないって、だ~れも言わないのが不思議。

まず治る病気と、絶対治らない病気、私は後者のほうが罹りたくない。

ともかく、予防接種はしない、罹る人は少ないでずーっと来ていたところですが、需給バランスが転換点を迎えたのか、罹患者が急に増え始めたのは、なんとかせにゃならん。

というわけで、練馬区では、2歳から中学3年までの方を対象として、無料ではしかの予防接種を実施するとのこと。

接種済みの方にも、条件次第で還付があるようなので、詳しくは、リンク先をご参照ください。

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社保庁問題

社保庁問題、ヒトゴトではありませんね。

自治体に近いところで仕事をしてますので、何かコメントせねばと思っているのですが、一般人にも年金関連の記事が理解できるように、メモ的なことを載せておきます。参考にしてください。


◆普通徴収と特別徴収について

普通徴収とは、個人に納付書が送られてきて、個々にお金を納める方式。特別徴収とは天引きのこと。

全員が納付書を持って窓口に来たのでは大混雑になるし、皆面倒がって納付率(収納率)が上がらない恐れがあります。特別徴収制度は当然の工夫と言えるでしょう。

「特別」徴収対象者のほうが人数が多いので、「普通」な感じがしますが、特別に講じた徴収方法という意味です。

もちろん、これらの徴収方法は、法の裏付けがあります。


◆社会保険庁と社会保険事務所と国民年金課

国民年金事務を統括しているのが、厚生労働省配下の社会保険庁

社保庁の窓口(出張所)が社会保険事務局(所)

地方自治体(区役所等)では、社保庁からの委託で、平成14年3月までは、年金事務のほとんどを行っていました。しかし、同年4月以降、お金の支払い関係の事務は社保庁へ移管しました。年金資格の確認事務などは引き続き行っています。


◆基礎年金番号

年金と一口に言っても、国民年金をはじめ、共済だなんだと様々な年金制度があり、それぞれの職業(立場)でそれぞれに設けられた年金制度に加入していました。

そのような中で、転職等で別の年金に変更になるようなケースも少なくありません。何年年金に加入していたかという継続性が、受給資格(いくらもらえるか)に大いに影響するため、同じ番号で一律に把握できるようにし事務負担の軽減と安定を図るという趣旨で、平成9年1月から基礎年金番号という年金業務の統一番号が振られました。「国民総背番号制」だと大いに批判されたものですが、国民は今ほど関心を持っていたとは言えません。

余談ですが、その後「住基コード」という、さらに背番号的なものが全国民に振られましたが、個人情報保護に批判を集中した陰に隠れて、「基礎年金番号」導入時のほど背番号論議は盛り上がらなかった気がします。


◆名寄せ

山田一郎さんが、A市からB市に引っ越して、再びA市に戻ってきた場合、同じ山田一郎さんであれば、年金資格が継続しているわけです。

しかし、同じ山田一郎さんであると、何をもって証明できるのでしょうか。

免許証でしょうか?転出前の免許証の情報を役所に残しておいて良いという、法的裏づけはありません。この時点でかなりあやうい制度だと思うのですが、氏名や生年月日を駆使して同一人を把握しようと努めます。この事務が「名寄せ」です。

「山田一郎」などという名前の場合、現存者とその履歴情報で、何百件いるかわかりません。大変です。


◆住記連動とカナ氏名

地方自治体にあって住民記録情報(事務)というのは全業務の基礎となるものです。よって、氏名などは住民記録の係で一元管理して、変更があれば他業務に更新情報が引き継がれるように工夫してあります。これが自治体システムでいうところの「住記連動」と呼ばれるもので、窓口のたらい回しを減らす工夫でもあります。

また、住民基本台帳法において、残さなければならない項目の中に、カナ氏名というものはありません。つまり、発音が「なおこ」で表記が「なほこ」さんの場合、カナ氏名項目が「ナホコ」か「ナオコ」か、本人が注意深く申請しなくては、どちらが入力されたかその都度でまちまちである可能性もあります。

こういうカナ氏名も他業務に反映しますので、名寄せの精度だってそう高いわけがありません。


◆私の感想

このようなあやうさの上にある制度ですから、年金情報の5000万件が宙に浮いていると言ったって、私には「そうだろなぁ~」と納得です。

前述の、地方自治体からの事務移管の際、当時3000以上あった地方自治体から社保庁に事務移管したら、当然に社会保険事務所の負担は増え、一方で地方自治体側も、年金課は廃止して、国保課が兼務するよう事務体制を縮小し、どちらも人手不足になりました。

そんな中で、同一人の照合(名寄せ)など、そんなに丁寧にやれないですよね。現場でも「やれるの?」と言う声は出ていたのですが、実際移管は実施され、現場は従うしかなく、私としては、「決められたことはやります。その結果、どうなろうが、決めた人の責任です。」という開き直りを感じたものです。実際、議会の決定にはそむけないですから開き直ってやるしかない。無為なものを感じつつも実施せねばならぬのは、役所では日常茶飯事。

もっとも、良い制度を作り上げていこうという気概があれば、もうちょっと何とかなっていたのでしょうが、そこがぬるま湯体質といわれる所以なのでしょう。どう考えてみても、社保庁問題は、起こってしかるべきものというのが私の感想。

ちなみに、5000万件って、練馬区民は60万人。鳥取県民も60万人。東京都民1200万人。改めて、すんげー数だな。

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